賃貸経営の建物構造について!木造・鉄骨・RC造の構造別に解説

賃貸経営の建物構造について!木造・鉄骨・RC造の構造別に解説

賃貸経営を成功させるには、建物の構造を正しく理解し、経営方針に合った選択をすることが重要です。
構造の種類によって、耐久性やメンテナンスコスト、防火性能などが異なり、収益性にも大きな差が生じます。
木造・鉄骨造・鉄筋コンクリート造はそれぞれに特徴があり、立地やターゲットによって向き不向きも変わります。
この記事では、代表的な建物構造の特徴や賃貸経営における活用のポイントを詳しく解説していきます。

賃貸経営の建物構造:木造

賃貸経営の建物構造:木造

賃貸経営では、構造選びが収益を左右します。
木造は初期投資が少なく魅力的ですが、耐久性や火災リスクも考慮が必要です。
以下では、賃貸経営の建物構造の木造について詳しく解説していきます。

木造の耐久性と寿命

木造の法定耐用年数は税法上22年ですが、実際は適切なメンテナンスで50年以上使用できます。
寿命は、木材の質や施工技術、気候、居住者の使い方で変わります。
なお、湿気に弱いため、床下換気や防湿シートで湿気を防ぎ、外壁や屋根を早期修繕することが大切です。
また、定期的に塗装し防蟻処理をおこなうと躯体の劣化を遅らせられ、資産価値の維持にもつながります。
さらに、リフォームの際に耐震補強を併せておこなえば、築古物件でも入居者への訴求力を高めることが可能です。
近年ではヒノキや米松など高耐久木材を採用し、地域工務店が50年保証を掲げるケースも見られます。

火災リスクと対策

木造は可燃材ですが、燃えると表面が炭化し内部まで炎が届きにくいため、一定の耐火性があります。
また、準耐火・省令準耐火構造を採用し、不燃材を組み合わせれば延焼リスクをさらに低減できます。
防火戸や住宅用火災警報器の設置も義務化されており、設計段階で対策を講じられます。
さらに、スプリンクラーや感知器を追加すると、保険料の割引が受けられる場合があり、長期的なコスト削減につながるでしょう。
なお、地域によっては、建築基準法で準防火地域に指定されており、仕様の強化が入居者の安心感を高めます。

木造の建築コストと初期投資

木造は、鉄骨造やRC造より建築費が数百万円規模で安く、初期投資を抑えられます。
ただし、築年数による資産価値の下落が早いため、立地やデザインで補い、修繕費も計画的に確保する必要があります。
また、金融機関は耐用年数を意識して融資期間を設定するため、長期ローンを希望する場合は新築か築浅物件が有利です。
さらに、土地代を含めた総投資額と見込賃料を比較し、表面利回りだけでなく実質利回りでも採算を検証しましょう。
木造でも長期優良住宅認定を取得すれば、固定資産税が5年間半額になるなど税制優遇が受けられます。
くわえて、断熱等級や省エネ基準に適合させることで、入居者の光熱費を抑え、退去防止にもつながります。

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賃貸経営の建物構造:鉄骨造

賃貸経営の建物構造:鉄骨造

鉄骨造は、耐久性が高く減価償却面でも有利な構造です。
木造との違いは、軽量と重量で性能やコストが異なります。
以下では、両者の特性と投資判断を詳しく解説していきます。

軽量鉄骨とその特性

軽量鉄骨は、厚さ6ミリ未満の鋼材で造り、一戸建てや2階建てアパート向きです。
木造より耐久・耐震性が高く、プレハブ化で工期とコストを抑えられます。
ただし、断熱・遮音性が劣るため、仕上げ材で空調効率と音漏れを補強する必要があります。
また、工場生産部材を組み立てるため品質が均一で、瑕疵リスクが小さい点も魅力です。
さらに、メーカー保証期間が長い製品を選ぶと、修繕費の急増を抑えられます。

重量鉄骨の構造と耐久性

重量鉄骨は、厚さ6ミリ以上の鋼材を用い、3階建て以上の中高層に適します。
高強度で大スパンが取れるため、間取りの自由度が高く、地震や台風にも強い構造です。
また、遮音・断熱性能も確保しやすく、快適な住環境を提供できます。
さらに、共用廊下を内廊下に設計することでグレード感を演出し、高い家賃設定を実現している事例もあります。
ただし、建築費は軽量鉄骨より高めで、用地取得費を含めた総事業費管理が重要です。
鉄骨は、リサイクル性が高く解体時のスクラップ売却益が期待でき、環境面でも評価されやすいメリットがあります。
なお、都市中心部で重量鉄骨を採用し、1階をテナント・上階を賃貸住戸とする複合用途ビルで利回りを高めた例もあります。

減価償却期間から見る投資判断

鉄骨造の法定耐用年数は鋼材厚で分かれ、3ミリ以下は19年、3ミリ超4ミリ以下は27年、4ミリ超は34年です。
厚いほど長期に減価償却でき、法人経営では節税効果が持続します。
重量鉄骨の34年は、安定計画に有利です。
また、鉄骨造は錆を防ぐ塗装更新が必須で、RC造の外壁補修より周期が短いため、維持費の性質が異なります。
さらに、塗膜劣化を放置すると腐食が進行し補修費が跳ね上がるため、10~15年ごとの定期塗替えが推奨されます。
含み益が大きくなったタイミングで物件を売却すれば、簿価が減った分だけ税負担を抑えた出口戦略が描けるでしょう。
くわえて、資産管理法人を通じて所有する場合、減価償却費を役員報酬と相殺し手取額を調整する手法も一般的です。
なお、売却時には土地値と建物残価のバランスを評価し、交換など課税繰延べスキームを活用する選択肢も検討できます。

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賃貸経営の建物構造:鉄筋コンクリート造

賃貸経営の建物構造:鉄筋コンクリート造

RC造は、耐久・耐火・耐震性に優れ、長期安定経営を志向する投資家に人気です。
特徴を壁式とラーメンの構造別に示し、耐震・耐火の利点を整理します。

RC構造とは

RC構造は、鉄筋とコンクリートを一体化し、引張りと圧縮に強い素材を組み合わせて高い耐久性を確保します。
壁式は、壁で荷重を受けるため剛性が高く、ラーメンは柱梁で支え間取りの自由度が高いなど用途で選択が分かれます。
また、コンクリートの中性化や鉄筋の錆を防ぐため、躯体のひび割れや漏水を早期に補修すると寿命をさらに延ばせるでしょう。
さらに、大規模修繕周期は約12年とされ、計画的な積立金設定が重要です。
近年は、高強度コンクリートや高性能鉄筋の採用で柱梁をスリム化でき、住戸の有効面積を広げられます。
くわえて、遮音性能が高いため、ファミリー層やテレワーク需要に応えやすく、賃料水準を維持しやすい点も魅力です。

耐震性に優れた構造の魅力

RC造は、水平方向の力に強く、倒壊や亀裂のリスクを低減し地震に強いと評価されています。
さらに、耐力壁や柱・梁の適切配置で揺れを抑え、新耐震基準にも適合しやすい構造です。
また、免震・制震装置を併設すると揺れをさらに低減でき、地震後の補修費を抑えられるケースがあります。
くわえて、行政による耐震診断補助金を活用すれば、改修コストを圧縮できる場合もあるため、情報収集が欠かせません。

高い耐火性とその安心感

RC造は、コンクリートが不燃材のため延焼しにくく、鉄筋も高温から守られ変形を抑えます。
避難時間を確保し他住戸への延焼を防ぐことで、集合住宅の安全性を高められます。
また、火災保険料が木造より低く設定される傾向にあり、運営コスト面でも有利です。
なお、外壁劣化が進むとコンクリート片落下の危険が生じるため、打診調査やシーリング打替えで美観と安全性を維持しましょう。
一方で、大規模修繕では足場費用が高くつくため、長期修繕計画を策定し資金を確保しておくことが不可欠です。
さらに、共用部のLED化や太陽光発電を組み合わせると光熱費を抑え、環境配慮型物件として付加価値を高められます。

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まとめ

賃貸経営を安定して継続するには、物件の構造が長期的な運用や収益性に与える影響を十分に考慮することが大切です。
木造は初期コストが抑えられ、鉄骨造はバランスの良さ、RC造は耐久性と安心感に優れるなど、それぞれに特徴があります。
構造ごとのメリットを理解し、自身の投資スタイルや経営戦略に最適な物件を選ぶことが成功への近道です。

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